『蕾』 5月11日~21日 ギャラリーf分の1 (東京・御茶ノ水)

謹んでこのたびの震災のお見舞いを申し上げます。

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梅田恭子 銅版画 『蕾』

2011年5月11日(水)~5月21日(土) 11:00~18:30 ※終了しました、ありがとうございました。
初日13:00より 日曜・最終日
17:00まで ※16(月)休み

ギャラリーf分の1
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5-6コトー駿河台
PHONE&FAX(03)3293−8756
info@galleryf-1.net

展評 『一秒の無限』 山本忠勝氏

山本忠勝氏による、梅田恭子『四分ノ三』展 <2010年12月 ギャラリー島田(神戸)>
の展示批評が、シュプリッターエコーに掲載されました。

Splitterecho(シュプリッターエコー)Web版

Cahier

10077 梅田恭子展 一秒の無限

言葉にして語られてしまうと、とたんにその言葉が刃になって、まるで返り討ちに遭ったみたいに自らがずたずたに裂かれてしまう、そういう繊細な心がある。
沈黙のなかで辛うじてバランスを保っている、やわらかで、過敏な心。
梅田恭子が描く不定形の、紙の裏から滲み出てくるような形象を見ていると、どうしてもそのような傷つきやすい心のことを思ってしまう。
その形象はだから言葉と言葉の隙間から、言葉の目をかいくぐってそっとそこに表れてくるように見えるのだ。
むしろ名づけられないように注意しながらひっそりと滲み出る。(2010年12月11日~25日 神戸、ギャラリー島田)

震えるような細い線、そしてこまやかなグラデーションで広がる面、この二つが梅田恭子の作品の要素である。
なにか具体的な物象のイメージをそこから連想することはむずかしい。
地でもないし気でもない。
火でもないし水でもない。
それどころかそこからなにかを連想することをそれはむしろ拒んでいる。
これは、ここにあるこれがすべてで、これ以外の何ものでもない。
控えめながらそのように宣言する。

ギャラリーの島田社長が奥からルーペを持って近づいてきた。
微妙な濃淡の面のところにそれを当てて、ごらんなさい、と例のバリトンで促した。
覗いて驚く。
面と見えていたところが、実は線の集積なのである。
しかも一本一本が繊細に震えている。
微細な震動。

不意にマチスを撮った古い短編映画のことが浮かんできた。
一気に描いたと見えた直線が、高速度撮影で撮ってみると、実に微妙に震えていた。
たじろいで足踏みしているようなところもあった。
いっそうびっくりさせられたのは、震えているのを見て、マチス自身がひどく驚いていたことだ。
彼も直線を引いたつもりでいたのである。
その映像の撮影者が(あるいは編集者だったか)、たしか無意識の震えというようなことを言っていた。

無意識の震え。
自身でさえ気づかない深層の震え。
すなわち魂の震え。
いのちはたぶんそのような震えに乗って表れてくるのである。

じっさい、街に流れている表面の時間とは違う別の時間が梅田の線に流れているそのことに気づくのはそんなに難しいことではない。
一秒ではまとまったことはなにもできないとついそう思ってしまう衝動がぼくらにはあるけれど、それは間違いなく外の時間に侵された荒っぽい心である。
梅田の線の一秒には心のありあまるほどの動きがある。
無限の複雑な震えがある。
何層もの心の動きがそこに折り畳まれているのである。
一秒がもう無限に深いのだ。

カントは時間の実在を信じなかった。
時間は、状況の変化を認識するための単に観念の形式に過ぎないと言い切った。
現代の量子論もその方向に進んでいる。
時間の革命…?
そこであらたに見えてくるのは、ぼくらが一瞬としか感じない刹那の、その裂け目に漲り渡っている無限の豊饒さではなかろうか。
むしろ時間がそこから誕生してくる、その時間の故郷が切り開かれる一瞬、刹那、…一瞬の無限。
梅田恭子の創造もたぶんその方向に動いている。
瞬間のなかに無限を見いだす方向へ。

ということはつまりこうも言えるだろう。
この作家は言葉に裂かれることに脅えつつ実は言葉の故郷へ向かっている、と。
言葉が世界を切れ切れに分節してしまうその以前、最初の一音「あ」のなかに世界のすべてが映し込まれ、充溢し、その一音が世界の隅々へ響いていった、あの叫びの時代。
すなわち、彼女の恐れと慄きの震えの裂け目にこそ全体が甦る。
地と気と火と水のすべてが一体となった運動、その運動がそこにある。
全宇宙の運動がその微細な震動に現われる。

2011.1.13 Tadakatsu Yamamoto

Splitterecho(シュプリッターエコー)Web版 Cahier10077 より 著作者の許可を得て転載

『ポルトリブレ四人展』 開催中

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『ポルトリブレ四人展』 が開催中です。
蜜蝋画作品が未発表作品も含み25点展示しています。

階段が狭いのでお気をつけ下さい。

会期: 2011年1月21日(金)~31日(月) ※終了しました、ありがとうございました。
12:00~20:00
26日(水)休廊 最終日は17:00まで


PoRtoLibRE(ポルトリブレ)
〒160-0022
東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル3階
phone: 03-3341-2992
fax: 03-5269-7076
e-mail: portolibre@tbp.t-com.ne.jp
access: 地下鉄「新宿三丁目」駅、C-8出口(ビックスビル)より徒歩30秒

ポルトリブレ四人展

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ポルトリブレ四人展(高下せい子・林晃久・平井勝正・梅田恭子)

2011年1月21日(金)~31日(月)
12:00-20:00 ※26日(水)休み 最終日は17:00まで

PoRtoLibRE(ポルトリブレ)
〒160-0022
東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル3階
phone: 03-3341-2992
fax: 03-5269-7076
e-mail: portolibre@tbp.t-com.ne.jp
access: 地下鉄「新宿三丁目」駅、C-8出口(ビックスビル)より徒歩30秒

-開催中- 『四分ノ三』12月11日~25日 ギャラリー島田(神戸)

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銅版画、蜜蝋画、板に鉛筆画を新作を中心に、約30点展示しております。
また銅版画詩画集『眠ルカ、空』もご覧いただけます。

■ 「梅田恭子展によせて ディム」 ギャラリー島田ホームページ

■ ギャラリー島田 公式BLOG (会場風景がさらにご覧いただけます)

■ ギャラリー島田&アートサポートセンター神戸メールマガジン 第571号
(展示の紹介をしていただきました)

『四分ノ三』
会期: 2010年12月11日(土)~25日(土)
終了しました
12:00~19:00 火曜日は18:00最終日は16:00まで

ギャラリー島田
〒650-0003
兵庫県神戸市中央区山本通2-4-24
リランズゲートB1
TEL/FAX:078-262-8058

『脚のある池』ギャラリーA・C・S(名古屋)開催中

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蜜蝋画32点と銅版画20点を展示しています。

『脚のある池』
会期: 2010年10月16日(土)~30日(土)
※終了しました
11:00~19:00 最終日は17:00まで
日・月休み

ギャラリーA・C・S
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目13-4 みその大林ビル1F
Phone&Fax:052-232-0828
Email:galleryacs@yahoo.co.jp
URL:www.geocities.jp/acs235/

掲載作品を更新しました

トップページの掲載作品を更新しました。
名古屋のギャラリーA・C・Sにて開催される作品展に出品予定の蜜蝋画作品です。
画像9点が数秒ごとに切り替わります。

『脚のある池』
会期: 2010年10月16日(土)~30日(土)
※終了しました
11:00~19:00 最終日は17:00まで
日・月休み

ギャラリーA・C・S
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目13-4 みその大林ビル1F
Phone&Fax:052-232-0828
Email:galleryacs@yahoo.co.jp
URL:www.geocities.jp/acs235/

『脚のある池』10月16日~30日ギャラリーA・C・S(名古屋)

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脚 ノ アル

四分ノ三 ノ 池 ノ ウタ

『脚のある池』
会期: 2010年10月16日(土)~30日(土)
※終了しました
11:00~19:00 最終日は17:00まで
日・月休み

ギャラリーA・C・S あいちトリエンナーレ2010パートナーシップ事業
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目13-4 みその大林ビル1F
Phone&Fax:052-232-0828
Email:galleryacs@yahoo.co.jp
URL:www.geocities.jp/acs235/