山本忠勝氏による、梅田恭子『四分ノ三』展 <2010年12月 ギャラリー島田(神戸)>
の展示批評が、シュプリッターエコーに掲載されました。
| Cahier
10077 梅田恭子展 一秒の無限 |
| 言葉にして語られてしまうと、とたんにその言葉が刃になって、まるで返り討ちに遭ったみたいに自らがずたずたに裂かれてしまう、そういう繊細な心がある。 沈黙のなかで辛うじてバランスを保っている、やわらかで、過敏な心。 梅田恭子が描く不定形の、紙の裏から滲み出てくるような形象を見ていると、どうしてもそのような傷つきやすい心のことを思ってしまう。 その形象はだから言葉と言葉の隙間から、言葉の目をかいくぐってそっとそこに表れてくるように見えるのだ。 むしろ名づけられないように注意しながらひっそりと滲み出る。(2010年12月11日~25日 神戸、ギャラリー島田) 震えるような細い線、そしてこまやかなグラデーションで広がる面、この二つが梅田恭子の作品の要素である。 ギャラリーの島田社長が奥からルーペを持って近づいてきた。 不意にマチスを撮った古い短編映画のことが浮かんできた。 無意識の震え。 じっさい、街に流れている表面の時間とは違う別の時間が梅田の線に流れているそのことに気づくのはそんなに難しいことではない。 カントは時間の実在を信じなかった。 ということはつまりこうも言えるだろう。 |
| 2011.1.13 Tadakatsu Yamamoto |
Splitterecho(シュプリッターエコー)Web版 Cahier10077 より 著作者の許可を得て転載