ラビスタ展評 栗田秀法氏(ギャラリーA.C.S/名古屋)

名古屋大学大学院博物館学教授 栗田秀法氏に、梅田恭子「たがう/むつぶ」展について展評を書いていただきました。

梅田恭子さんというと『版画芸術』122号(2003)に添付された銅版画集「ツブノヒトツヒトツ」の一葉でなじみの方も多いに違いない。このユニークなタイトルは、万物が粒からなり個々人も粒の一つ一つに他ならないという作家独自の世界観から来ているという。自らを極小の単位の存在まで矮小化しつつ表現するという矛盾を引き受けつつも、この作家は、ツブ同士の摩擦に息詰まりながらも、ツブ間のわずかな交通の余地、あるいは新陳代謝の今にわずかな希望を託し、日々ニュアンスを変えるわずかな吐息やつぶやきを銅板の上に刻もうとしたのである。今回の個展のタイトル「たがうとむつぶ」も、ツブ同士が通じあうことの不可能性と可能性を考えれば、この作家の基本的な立ち位置を端的に表したものに他ならない。
今回の展観でも、自動筆記から生まれたかのような微弱な線条の戯れを銅板に刻み腐蝕させた小品や絵具の転写から生まれた不定形の対象を紙片に定着した小型のモノタイプ作品では、意味深なタイトルとあいまったささやきに似た「弱さ」の美学は健在であった。とりわけ会場で目を引いたのは、色を点された柔らかで落ち着いたドローイング世界と、不定形な漆黒の絵具の生み出す混沌としたモノタイプ作品の表現世界の対比である。「たがう」が全面に出た後者に見出されるこの作者にしては「強い」作品世界の登場は、一時の心境の変化なのか、新たなリセットのきっかけなのか、予測がいささか困難な次なる展開を楽しみに待ちたい。

ギャラリーA.C.Sラビスタより転載

絵との出合い (菊川画廊・山口宇部)

ドローイングを5点並べていただきました。よろしくお願いいたします。

12月15日(日)~12月25日(水)10:00~18:00 
※終了いたしました。

菊川画廊
〒755-0019 山口県宇部市東新川町4-16
tel/0836-31-9822
山口宇部空港からタクシーで5分
JR宇部線「東新川駅」下車徒歩2分
駐車場あり(5台)

井上昇治氏から展評をいただきました ギャラリーA.C.S(名古屋)

梅田恭子 たがう/むつぶ—ドローイングと銅版画—

井上昇治氏
OutermostNAGOYAより転載

中日新聞社の井上昇治氏が自らのウェブサイトに今回の作品展『たがう/むつぶ」(ギャラリーA.C.S・名古屋)の展評をいただきました。 核心を捉えたことばのつらなりに、とても驚いております。井上さんには大変感謝しております。是非ご覧くださいませ。梅田恭子

たがうについて ギャラリーA.C.S(名古屋・30土曜日まで) 

テクスト_たがう

たがう

国にランクがついていた

ホテルや
レストランのようで
それを知って
なにか背中を這うものがある

貿易、外交で
必要なのですって

順位

モチベーション向上のために
ある意味大切なことなのかもしれない

しかしなぜだろう

胸を、深くえぐられる

閔(みん)さんは元気だろうか
ユリさんはどうしているかな、

かの大戦のインパール作戦って知っている?

約三万人ともそれ以上とも
戦死…とは名ばかりで
殆どが病死、餓死した

大切なひとりを
待っていたひとりがいて

三百万人超がしんで
多くの他国の人がしんで
この国は戦争に負けた

負け

ひきずられる

各国がいちばん憂(うれ)いているのはクーデターか空からのミサイルか
ランキングか

歴史も絵の具みたいに
塗りつぶせるらしい

ああ、やめよう

徴兵

絵空事になってほしい

新しくうまれた
子供たち

よい大人になるために

テストで百点とれますように

かけっこで一等賞とれますように

クロールで息継ぎができますように

じいじとばあばに会ってきて

夏が終わって

冬がくる

別にびりだって
元気で笑顔をみせてくれればいい

そのなんと尊いことか

何位だって構わない

どうか
コンプレックスにおもわないでください

ああ

足元がすくわれる

お願いします、

どの国にも

どの国とも

あなたとも

いさかいが起こりませんように

こころから /梅田恭子

むつぶについて ギャラリーA.C.S(名古屋・30土曜日まで)


テクスト_むつぶ

むつぶ

急な雨

私は巡回バスに乗って
車窓から聴こえる雨音を聴いている

バスのエンジン音を
掻き消してくれるのがありがたい

私は訳あって耳せんをしている

それでも充分聴こえる豪雨のしぶき

乗客のかたがたは
少し不安そうだ

回り道をしながら
バスは走る

いつの間にか
雨は弱まって


ボタンを押したころには
西日が差していた

降(お)ります

ふたつステップを降りて
バスを見送った

わたしは
雨粒に光るねこじゃらしと
ハイファイブしながら
上り坂をゆっくりのぼった
おつかい事はまるで徒労に終わったのだったが

感謝でいっぱいの気持ちだった  / こころから 梅田恭子

[開催中]梅田恭子『たがう/むつぶ』ドローイングと銅版画 11月16日~30日ギャラリーA.C.S (名古屋)

全て新作の銅版画と鉛筆によるドローイングとモノタイプが50点並びました。
銅版画は土佐和紙のコーヒーフィルターを使用しています。よろしかったらお越しくださいませ。

梅田恭子『たがう/むつぶ』ドローイングと銅版画
会期: 2019年11月16日(土)~11月30日(土)
11:00~18:00 最終日は17:00まで 日・月休み ※終了いたしました。

ギャラリーA.C.S
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目13-4 みその大林ビル1F
Phone&Fax:052-232-0828
E-mail:galleryacs@gmail.com
URL:https://galleryacs.amebaownd.com/

梅田恭子『たがう/むつぶ』ドローイングと銅版画 11月16日~30日ギャラリーA.C.S (名古屋)

すべて2019年の作品です。
ご高覧いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

会期: 2019年11月16日(土)~11月30日(土)
11:00~18:00 最終日は17:00まで 日・月休み ※終了いたしました。

ギャラリーA.C.S
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1丁目13-4 みその大林ビル1F
Phone&Fax:052-232-0828
E-mail:galleryacs@gmail.com
URL:https://galleryacs.amebaownd.com/

第19回 ミニアチュール神戸展 「わたしの万有力」2019年7/20(土)~8/4(日)

ギャラリー島田の夏の風物詩、ミニアチュール神戸展も19回目を迎えました。
この展覧会のワクワクする楽しさは、毎年テーマを決めて、新作で挑んでいただくことにあります。
辿ってみます。2008「joie de vivre―生きるよろこび」、2009「こころに花を」、2010「じゆう/自由」、2011「Wish」、2012「Slowly」、2013「Cadeau―贈り物」、2014「Change」、2015「ホワイボン」、2016「いまこそわたれわたりどり Now the time to go」、2017「わたしのかふか」、2018「ありがとがんす」、年ごとに充実してきているのは嬉しい限りです。
そして今年のテーマは「わたしの万有引力」。
『万有引力とは、引き合う孤独の力である』(谷川俊太郎「20億光年の孤独」)
広大な宇宙に今、命を抱く表現者として伝えたいこととは。147名の作家が豊かな想像力を宇宙に放ちます。
島田誠

ギャラリー島田の夏の風物詩、ミニアチュール神戸展。今年のテーマは「わたしの万有引力」。今年から会場を3つに増やし、作品サイズも少し大きめに設定。ゆったりとご覧いただきます。さらに新企画「ことばのミニアチュール展」を同時開催。「あなたの万有引力」コーナーも。作品を見て、言葉で表現してみませんか?会場でぜひご参加ください。わたし⇄あなたの万有引力 —— 真剣さと楽しさが天空に輝きます。

足立朱麻 阿部国生 天田理絵 荒木きよこ アンドレイ ヴェルホフツェフ 飯田真人 井階麻未 池内悦子 石井一男 泉昭人 泉依里 稲垣直樹 井上祥子 井上よう子 植浦加代子 植田真 植田麻由 上野陽子 植松永次 上村亮太 内田みき 内海聖子 梅田恭子 烏頭尾寧朗 大木本成子 大塚温子 大槻和浩 aune 岡田久美子 奥野元昭 小曽根環 落直子 Omult. Venzer 貝塚理佐 金井和歌子 金子善明 河合美和 河上奈未 川端祥夫 岸塚正憲 きたむらさとし 日下部直起 鞍井綾音 黒川紳輝 桑畑佳主巳 小池結衣 コウノ真理 児玉えり子 権藤ミノル サイモン ヴェリントン 榊原メグミ 笹田敬子 里井純子 佐藤千重 佐藤有紀 沢村澄子 Sieii Lin シマノ杏子 神領照美 須飼秀和 杉本たけ子 杉本裕子 須浜智子 住谷重光 高木さとこ 髙澤圭多 髙田竹弥 髙野京子 高原秀平 髙安醇 武内ヒロクニ 竹内康行 竹永貴美子 田中大樹 田中奈津子 TALA 垂野紘行 忠田愛 築山有城 坪谷令子 寺井陽子 友定聖雄 鳥井雅子 鳥居洋治 中井友子 中井博子 中井浩史 中田誠 中畑佳子 中山トモ子 南野佳英 西畑希美 根垣睦子 根木悟 根津太一 野村嘉代 長谷川さおり 長谷川たか子 旗谷吉員 秦森直子 花井正子 林哲夫 韓由美 東影智裕 東影美紀子 東端哉子 福島千佳 福田弥生 藤飯千尋 藤野さち子 藤原護 藤原洋次郎 フジモト アキコ Pen² 細井美奈子 本多利雄 前川奈緒美 政木貴子 松岡美子 松田早代 松原政祐 mapu 三浦孝宣 三沢かずこ 光延由香利 南輝子 宗像裕作 MOTOOKA U. 森脇正奈 谷中亜紀 山岡明日香 山口砂代里 山口よしこ 山口力靖 山田貴裕 山村幸則 山本千瑳子 山本有子 横道佑器 吉田淳治 吉田廣喜 脇山さとみ WAKKUN 渡邉敬介
<ことばのミニアチュール展> 佐藤文香 時里二郎 八上桐子
<あなたの万有引力> みなさんご参加ください! 147 artists and more…

会場:1F trois
会期:2019年7月20日(土)~8月4日(日)11:00-18:00
※最終日は16:00まで※終了いたしました。

【関連企画】
『ミニアチュール神戸展オープニング ドリンクナイト』
日時:7月20日(土)16:00~
予約不要・無料(ポットラック形式)

きたむらさとし『幻灯紙芝居と絵本夜話』
日時:7月23日(火)18:30~
要予約・¥500     ※ギャラリー島田Webサイトより

[開催中]『絵と音楽と響きあうほどに』ギャラリー枝香庵(東京・銀座)

絵画と音楽はそれぞれ固有の独自性があって今日に至っています。されど「展覧会の絵」がムソルグスキーを作曲へと駆り立て名曲を誕生させました。また一方画家のデュフィやクレーの作品はその背後に音楽への愛が垣間見られます。今展では双方の影響関係に着目し画家の皆様より絵の具の多様な可能性の中から絵画と音楽との素敵な出合いを探って頂きます。御子柴大三(企画者)

※ギャラリー枝香庵Webサイトより

作品をひとつ参加させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

テーマ:加藤和彦について

平和について・フォーク・クルセダーズ
浅見哲一 五十嵐久美子 伊藤彰規 居森幸子 上野明美 上野謙介 梅田恭子 おおらいえみこ オーガフミヒロ 片岡理森 亀井三千代 岸川理子草津ローラン そめやまゆみ 髙橋千裕 タケダアキコ 寺坂安里 内藤瑶子 根木悟 野間祥子 濱谷陽祐 早崎雅巳 平澤重信 古田恵美子 椋野茂美 山中現 一柳慧

絵と音楽と響きあうほどに


絵と音楽と響きあうほどに
2019年6月21日(金)-6月30日(日) 3
11:30~19:00(日曜日、最終日は17:00まで  ※終了いたしました。

ギャラリー枝香庵(えこうあん)
〒104-0061 東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F
TEL / FAX 03-3567-8110

28日まで『こぴっと ゆるっと』展示替えしました・くじらぐも(北杜市)

くじらぐも展示風景_1

くじらぐも展示風景_2

くじらぐも展示風景_3

くじらぐも展示風景_4

くじらぐも展示風景_5

モノタイプ14点展示させていただきました。 わたくしはほぼ金曜日におります。美味しいごはんと共にゆるっとお過ごし下されば幸いです。よろしくお願いいたします。

梅田恭子『こぴっと ゆるっと』

2019年5月3日(金・祝)~6月28日(金)11:00~18:00※火水木休み/6月2日休み  ※終了いたしました。

営業時間11:00~18:00定休日火・水・木

山梨県北杜市明野町上手3144

TEL・FAX:0551-25ー4053 Email:cafekujiragumo@nifty.com